中国の独立アニメーションと艾未未のドキュメンタリー映画を見てきた

横浜美術館での、イメージフォーラム・フェスティバル2012に行ってきました。
全国各地で上演してましたが、横浜がラスト。
中国インディペンデント・アニメーションというプログラムと、艾未未ドキュメンタリー映画(「老妈蹄花」「鄂尔多斯100」)を鑑賞してきました。


中国インディペンデント・アニメーションは、以下の10作品。


1「影夢人生」:ツァオ・フェイ/ 中国/ ビデオ/10 分/2011
あのRMB Cityなどで有名な曹斐さんの新しい作品です。
影絵というアナログな手法かつ白黒の世界での作品に、今までとは違う雰囲気、意気込みを感じました。
横浜トリエンナーレにも参加してるから、縁がありますね。
この作品で、音楽担当のクレジットで、XiaoHeと。
小河(美好薬店)と思うのですが、声も彼のものと思って聞いてたので、多分彼ではないかと。
http://www.mask9.com/node/41081


2「穀物配給切符」:チェン・シー+ アン・シュン/ 中国/ ビデオ/19 分/2011
3「兎通り」:フォン・ウェイ/ 中国/ ビデオ/8 分/2007
4「蕨採り」:ジァオ・イェ+ ホアン・ヤン/ 中国/ ビデオ/9 分/2003
5「水滴」:ホアン・ヤン/ 中国/ ビデオ/3 分/2005
6「私の、私の」:レイ・レイ/ 中国/ ビデオ/5 分/2011
7「ダブル・フィクレット」:ワン・ハイヤン/ 中国/ ビデオ/4 分/2012
8「あなたに会えたら」:リュウ・ジャーミン/ 中国/ ビデオ/6 分/2010
9「唖」:ルオ・ハイミン/ 中国/ ビデオ/5 分/2008
10「臼」:スン・ハン/ 中国/ ビデオ/3 分/2007
11「鼓動」:シー・レイ/ 中国/ ビデオ/8 分/2011
12「若者と地球の神秘」:ワン・ウェイスー/ 中国/ ビデオ/8 分/2011

残りの作品については、ただ今、調査中。
もっと、作品紹介や、監督紹介などの情報がパンフレットに載ってればよかったのに。
パンフレットはその時点で買わなかった。
せめて、作品名の中国語タイトルと、監督の中国語表記くらい、載せておいて欲しかったよ。



翌日の夜は、艾未未ドキュメンタリー映画の上映でした。
「秩序を乱す」(「老妈蹄花」):アイ・ウェイウェイ/ 中国/ ビデオ/78 分/2009
「オルドス100」(「鄂尔多斯100」):アイ・ウェイウェイ/ 中国/ ビデオ/61 分/2012

ともに、ドキュメンタリー映画として、本当に面白かった。
人権活動家でもあり、政府や公安と戦ってるのが、「老妈蹄花」。
建築家、アートプロジェクトのプロデューサーとしての奮闘は、「鄂尔多斯100」で存分に見れます。

「老妈蹄花」は、ネット配信で見たことがあるのですが、字幕をきちんと見て理解できていなかったところを含め、改めてスクリーンでみると、成都の警察、公安が、いかにSB(くそったれ)かわかりますね。
でも、その悪態ぶりをこうやって晒すことで、痛快さが生まれ作品としてはなぜかエンターテイメント性があります。
もちろん、当人(谭作人=タン・ズオレン)は未だ自由では有りませんし。
http://zh.wikipedia.org/wiki/%E8%B0%AD%E4%BD%9C%E4%BA%BA


「鄂尔多斯100」はプロジェクトの名前。
世界から100 人の建築家を招き、内モンゴルの鄂爾多斯というゴビ砂漠の原野に、各人自由に1000 平方メートルの家を設計してもらい、100戸の街を作るという壮大な計画。
その開幕イベントから、実際のデザイン発表までのイベントを、面白くドキュメンタリーにまとめていました。
建築家の言葉も100通りのものがあって、面白い。
それにしても、主演男優賞は、いろいろやらかしてるけど、なんか役者じみてる、出資会社の社長さんですね。
艾未未さんが、どっかの国からきた、建築家さんの頭をかるシーンとか、所々に笑いも散りばめられてるのですが、最後、痛快でした。
プロジェクトの顛末、「鄂爾多斯100は、2011年12月現在、未だ、実行完成されてない」と字幕が出て、大爆笑。

艾未未工作室のドキュメンタリー作品は、本当に良質で面白いです。
もっと、日本で上映して欲しいです!