昔の文章を掘り返す【2000/05/11 張炬5回忌ライブ＠ライン河声場】

張炬って何者？ってとこから入りますと、彼は唐朝というバンドのギターリストでした。
5年前(1995年)の今日、事故で若くして死んでしまいました。
誰からも好かれる良い人柄で、北京中のミュージシャンが涙しました。
それで、彼の追悼ライブが毎年5/11に行われているのです。
詳しくは、こちらで見てもらう方が宜しいと思います。
about 張炬 (中国揺滾DATABASEより)

今回は5回忌ということで、凄い人たちが集りました。

まず、妖が前座を務めました。
（まあ、この面子のなかで良く彼らが前座勤めたなあ・・・）

その次に、なんと崔健が登場しました。
言わずと知れた、中国ロック界の第一人者です。
さすがです、手放しで大興奮しました。
ステージに上がる時に、実は僕の横を通っていたんだけど、ふつうのおっさんで気がつかなかった・・・。いや、失礼。
ロックスターということを感じさせてくれる、一番盛りあがったんじゃないかなあ。
病医生の虎子ともう一人のラッパー（TWISTED MACHINEのボーカル？）を引き連れて歌った「超越那一天」がかっこよかったです。
実は、崔健は一番新しい音楽への探究心が強いのだということがよくわかりました。
あとは、ジャムっちゃったんだよな、残念、「一無所有」やんなかったし・・・
なんだかんだで、あっという間に時間が過ぎちゃいました。

次ぎに、痩人です。
そのままの勢いで、これまた盛り上がりました。
セットリストは６．２６、堅持就是勝利、傷口、狂風雨、痩人でした。
痩人は勢いが違います。なんか見るたびにパワーが増している気がします。
突っ走ってもらいたいな、このまま、と期待をますます込めて。

それから、ＫａｉｓｅｒＫｕｏがギターボーカル、痩人がバックの特別編成で「YOUR VISION」を披露しました。
これはアルバム「再見張炬」に収録されているカッコ良いナンバーです。
カイザーの英語で歌う姿はもうしびれたね。
迫力もあります。

次ぎは、超載でした。
選曲はファーストアルバム中心でした。
パフォーマンスは正直がっくり・・・、他のバンドに比べたら、かなり落ちますね。
超載自体が今回久々のライブだったんだけど、少し首をひねらざるをえませんでした。
まあ、おもしろかったのは最後で王瀾がドラムの上に立ちあがろうとして失敗しこけたことでしょうか。
結局、Ｖｏの高旗に倒れ掛かってしまいました。
ハプニングしか印象に残らないから、これはどうも。
そうそう、王瀾は痩人からぶっ続けだったので流石に疲れてました
ね、お疲れさんでした。

次ぎが、黒豹です。
黒豹は３曲、我們這一代、臉譜、放心走吧でした。
いやあ、流石だよ、秦勇、歌上手すぎ！
王道の歌謡曲ロック、放心走吧の時は、皆で合唱してました。
知名度も群を抜いています、ライターで振ってる人も多かった。
実はライターで振る姿、初めて生で見ました。正直、熱いです。
３曲でも充分満足できる内容でした、感服っす。

で、次ぎに何勇が１人ステージに上がり、張炬に対するメッセージとか色々しゃべってました。
これがすげえくだんなくて、本人は陶酔してたけど、哀れに思えました。
かっこいい姿を昔の映像で見てたから、がっくりです。
ううむ。

最後はもちろん唐朝です。
どうやら、彼らは天津の合同ライブにも行ってたようで、さっき北京に帰京したようです。
到着が遅れたから超載が何曲もやって、つないでたようです。
おかげで、超載はいっぱいいっぱいだったのかな。
で、肝心の唐朝はたったの３曲です。
なんなんだ！お前らの仲間の追悼ライブじゃないのか！
最初の曲わすれて、次ぎは太陽、国際歌で終わりです、なんだかな・・・・・
まあ、国際歌で大合唱で終わったので盛りあがったのは流石といっておきます。
そして、酔っぱらった何勇はステージで大暴れでした、ますます惨め・・・

これほどの大御所さんが、一堂に会すのは珍しいと思うのですが、なにかしら、張炬への追悼ライブに対する、各バンドの温度差を感じてしまいました。
ある意味、5年という時間は、中国ロックを発展させたのか、退廃させたのか、新しい息吹はどうか、大御所たる所以とはなにか、遅れてきた中国ロック新参者ではありますが、変な気概に頭を悩ませてしまうライブでした。
＜完＞