昔の文章を掘り返す【2000/07/20 HangOnTheBox, the fly and others＠Loft】

本日は超大型ライブです。
一番みたいアーティストを欲張りに集めてしまった、凄いライブです。
[出演バンド]
FM3、the fly、妖、HangOnTheBox、誘導社、
舌頭、ＮＯ、張浅潜（出演順）

実は今日のライブでイチバンの収穫は、FM３をみれたことかもしれない。
北京でこんな高度なアンビエントテクノが聞けるとは思ってもみませんでした。
ギターの虎子はthe flyのギタリストでもあるんですが、彼のノイジーなギターが、かなりのアクセントとして効いてます。
西洋人のDJはPCでプログラミングした、サウンドをサンプラーでいじってます。
そして、キーボードの張健は凄い、生演奏なんだけど、彼のエフェクターの使い方がうまくて、メロディックながらに凝ったサウンドをしていて、センスがとても良い。
びっくりするくらいこの音は聞いてて心地良い。
惜しいかな、中国人には解ってもらえない・・・、どからか罵声が・・・
いや、そうじゃないんだ、他のメンツが違い過ぎるんだけど、これは凄い音楽なんだ〜。
演奏が終わったあととぼとぼ帰って行く姿が悲しかった
です。
うおおお、でも、僕だけ恍惚とした表情で頭をくゆらせていたことに、どうか気付いて下さい。
今日は先もの買いをした気分でした、凄いものを見てしまいました。

FM3

次は、the flyです。
豊江舟の声を生で聞くのは一応初めてかもしれない。
flyは北京でも特別なオルタナバンドだと思うし、ここ数年のアンダーグラウンドをひっぱってる存在で、日本にいる時から強烈な印象を持っていた。
当時のメンバーとは違うものの、やはり、迫力がありました。
虎子もさっきのギターとは大違いで、バンドサウンドに戻っている。
弾き方を違わせることの出来るのは凄いなあ。
なんか、3曲だけで、短かったのが気に食わないけどカッコよかった。

the fly vo.豊江舟

次ぎが妖。
このバンドにたいしては、やはり、中国語をもっと理解してないと、彼のブラックなリタリックセンスがわかんない。
音自体もからりトーンが低く、正直盛り上がるとかそういうものではない。
今回は辛かった。

妖　vo.方科

続いてお待ちかね、HangOnTheBoxです。
北京唯一のガールズパンクで、もう、日本にいる時からドレだけあなた達を
間近で見ることを待っていたことでしょう。
ホント昔より、よりポップセンスがよくなってて、曲も演奏もがよくなったと思う。
全部英語詞になってたのは聞いていたが、元々可愛い4人組なので、こちらのほうが、活きてくる。
なにより、一生懸命やっている姿が良いじゃないですか、これは、おじさん心にキュンとさせる、健気な姿です。

HangOnTheBox vo.王悦

HangOnTheBox B.伊麗那

次ぎ、誘導社です。
彼等のサウンドはかなりのアングラ的要素があり、変態チックなノリがあります。
ほんとがどうかわかんないけど、実はリズムの刻み方がレッチリに似てる気がして、マニアックに悪ノリしています。
曲の歌詞も性的なものやスラングが多く、破天荒さが出てて良いです。
マニア受けするバンドだと思います。

誘導社

イチバン会場が熱気に包まれたのが舌頭です。
ハードコアかオルタナかわかんないんだけど、中国でロックやってて、魂を揺さぶられるサウンドといいますか、この鼓動が彼等なんだと思わせるライブでした。
見た目も結構怖い、皆、坊主頭でビジュアル面でも、相当アングラ気配を漂わせています。
んでも、ライブがはげしっくて、僕は後ろから傍観してたけど、すんごいとがってます。
がつんがつん来るんです。
ハードに攻めまくり、拳が良く似合う。

次ぎ、変わり者の代表格バンドNOです。
ボーカルが左小祖咒というんですけど、ハットが素敵です。
アバンギャルドをするために兼ね備えた、この声というべきなのでしょうか。
シャウトが、ワッチャッチャ〜とか言ってるんですけど、凄いんです。
叫び倒してステージを降り暴れまくってましたし、迫力どころか、壊れてます。

左小祖咒

最後に張淺潜です。
今日の張淺潜はキレていました。
ライブが始まるなり、いつも以上に客に野次をとばしてましたし、自らは上着を脱いで何回も下着を見せまわるし、髪型など、変則モヒカンみたくなってました。
曲もまともに歌わず叫ぶだけ、美しいメロディの歌を期待していましたが、それよりも、いやあ、すばらしいキレ具合でした。
これは、マジでよかったなあ。

張淺潜

なんだろう、今日はパフォーマンス性のある、キレたアクトが多くて、大満足でした。
北京ロックの新しいそれぞれの波を感じ、幅が広がっていくのだろうと思わせる、一大イベントでした。
＜完＞