昔の文章を掘り返す【2003/11/25日記 前田和男 『発熱天使』】

僕がこの映画を見たのは中国留学へ旅立つ直前、2000年1月、場所はシネヌーヴォ。もともと、この映画に鄭釣が出ているということで、それが目当てで観たようなものでしたが、北京へ旅立つ前の僕には貴重な映画となりました。



失踪した友人の画家を探すため、旅人(椎名桔平:飾)は、唯一の手がかりである、人民服を着た少年の古い写真を頼りに、北京へとやってきた。
北京で次々と出会うアーティスト達(=発熱天使)との交流でわかる、この国の束縛感。
また、友人を探す旅は、いつしか自分への懐疑心も促しはじめ、果たして旅人の行きつくところとは・・・

この物語は、ドキュメンタリードラマで、旅人の椎名以外の出演者は本物の北京で活躍するアーティストたちである。
この国で創作活動をすることの代償とは、その思いとは。
その語りは、リアル。
そして、キーワードは、「6.4」、「孤独」・・・

僕は、この映画に出てくる、金星(ジン・シン)の美しさにのめり込みました。
中国で初めて性転換手術をカミングアウトした方です。美しい現代舞踏家です。

本当に大好きな映画です。


///
2012年追記。

二度と映画館で上映される事は無いであろうと、数年前、ヤフオクでVHSを入手しました。
んですが、最近になって、VHSを整理していると、見つかりません。
捨てる訳は無いので、誰かに貸したままだったか・・・思い出せません。